シャッポは軽くてパーがいい
小渕優子経済産業相は20日午前9時40分すぎ、辞任会見に臨むため、東京・霞が関の経産省会見室に入った。多くの報道陣が詰めかけ、無数のカメラのフラッシュがたかれる中、濃紺のスーツに身を包んだ小渕氏は用意した紙をゆっくりと読み上げた。「心からおわび申し上げます」。そう言うと、5秒近く深々と頭を下げた。その間、会見場は再び無数のフラッシュに包まれた。
これまでの会見や国会答弁での堂々とした姿は影を潜め、終始伏し目がちに言葉を絞り出した。時折顔を上げるが視線は定まらず、目が泳ぎ遠くを見つめているようだった。
矢継ぎ早に記者の質問が飛ぶが、歯切れの悪い受け答えに終始し、言葉に詰まる場面がたびたび見られ、動揺しているのか記者の質問を聞き直すこともあった。消え入りそうな声で話す小渕氏の発言を聞き漏らすまいと記者は身を乗り出して耳を傾けた。
「大きな疑念があると言わざるを得ない」。どこかひとごとのように話す小渕氏に「自身の責任はどう感じるのか」と記者が問うと、「なぜこうなったのか、分からない」と困惑した表情を浮かべた。一方、会見終盤には「全てが甘かった」と自らの非を認めるように強い口調で言い切り、「政治家として一から出直そうと思っています」とも述べた。(2014.10.20 産経新聞)